東本願寺は浄土真宗大谷派の本山。親鸞聖人の御真影(ごしんねい)を安置する御影堂(ごえいどう)や山門である御影堂門など、伽藍の大きさが際立つ寺院です。
この記事の内容
門を見るだけでも来た甲斐あり!
金の飾りがゴージャス!阿弥陀堂門
京都駅から烏丸通を北上すると、数分で東本願寺が見えてきました。
↓ 「法語行灯(ほうごあんどん)」なるものがありました。
「人間は 一人の人との出会いから 一つの言葉との出会いから 生きることが出来る」
いい言葉。しみじみしますねぇ~
↓ 阿弥陀堂門に到着です。
いわゆる唐門。金の装飾がかっこいい!
↓ 門扉の装飾。醍醐寺の唐門と似てます。
↓ 醍醐寺の唐門。
醍醐寺はともかく、東本願寺の門扉に豊臣家の家紋があるのは謎のまま、解明できていません。
京都一の高さを誇る御影堂門
御影堂門へ向かいます。横から見ると門には見えませんね~
御影堂門は、木造建築の山門としては世界最大級、木造建築の二重門としては日本一の高さとのこと(正面21m、側面13m、高さ27m)。
某テレビ番組の情報では、京都一高いお寺の門だそうです。
両堂形式の大伽藍
祖師堂が本堂より大きい?
境内に入ります。大きな伽藍が2つ左右に並んでいます(両堂形式)。
↓ 写真右手前が御影堂、左奥が阿弥陀堂、どちらもなかなかのビッグサイズです。
↓ こちらの写真のほうがサイズ感が伝わるでしょうか?
御影堂は親鸞聖人の御真影を安置するお堂。開山堂、あるいは祖師堂などと呼ばれるところですね。
正面76m、側面58m、高さ38m。木造建築物としては世界最大級の規模とのこと。こちらも重要文化財です。
↓ こちらが阿弥陀堂。阿弥陀堂はご本尊・阿弥陀如来を安置するお堂です(重要文化財)。本堂ですね。
正面52m、側面47m、高さ29m。こちらもなかなか大きなサイズですが、御影堂よりは小さいです。
ふつう、本堂がお寺の核となるところなので、建物としてもいちばん立派につくられていてよさそうなものですが、東本願寺では祖師堂である御影堂のほうが、本堂の阿弥陀堂より大きくなっています。(西本願寺も)
なぜでしょう?
それは本願寺の起源にあるようです。
東本願寺は「真宗本廟(しんしゅうほんびょう)」が正式名称です。
親鸞聖人が90歳で亡くなられたあと、門弟たちが「廟堂」を建てたことが本願寺の起源とのこと。
そのような経緯から、東本願寺では御影堂が境内の中心に建てられ、本堂である阿弥陀堂より大きい、というわけなんですね。
浄土真宗の信者数は日本一?
これだけ大きなお堂を建てたのは、信者さんの数が多いことが理由なのでしょうか?
文化庁がまとめた平成28年版「宗教年鑑」によると、信者数1位は浄土真宗本願寺派(西本願寺)、2位が真宗大谷派(東本願寺)、3位が浄土宗で、他の宗派を大きく引き離しています。
信者数の集計方法は各宗派まちまちであり、自己申告によるものとのことなので、実態をどこまで正確に反映しているかは疑問らしいのですが、浄土真宗の信者数が上位であることは間違いないと言えそうです。
「すべての人を救う」親鸞聖人の決意
「善人なおもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」
これは、親鸞聖人の教えの神髄と言える「悪人正機(しょうき)」という考え方を端的に表した言葉です。
直訳的に言うと「善人が往生できるのだから、悪人が往生するのは言うまでもない」となるので、「えっ?」となりそうですね。
この言葉のポイントは「悪人」の意味です。
「悪人」というのは、たとえば犯罪者などの意味でとらえるより、「煩悩にとらわれた凡人」くらいの意味で考えるとわかりやすそうです。
意訳すると、「『善人』は自らの力で悟りを開こうとして仏に頼る気持が薄いが、凡人である『悪人』は仏の救いに頼るしかなく、その気持が強くなるからこそ阿弥陀さまに救われるのだ」ということになります。
阿弥陀さまの本願は衆生を救うことだ、だから、阿弥陀さまを信じて頼ればみんな救われるんだ、と親鸞聖人は説いたんですね。
蓮如(れんにょ)上人の布教活動もあり、親鸞聖人の教えは多くの人々に支持され、大教団を形成していきました。
それが大伽藍となって現れている、と自分は解釈しました。
特別公開「大寝殿・白書院」
「大寝殿・白書院」の特別公開をしていましたので拝観しました。
大寝殿はかつて広間、対面所として使用されていた場所。
日本語では何の部屋かわかりませんが、英訳でReception Hall。英語のほうがイメージしやすいですね。
「白書院」へ移動します。
↓ 白書院。
「書院」は書院造りの座敷のことで、「白書院」と「黒書院」があります。
白書院は表向きの書院で、白木造りを主とし、漆塗りをしていない書院(写真の書院は柱などが茶でしたが・・・)。
黒書院は内向きの書院で、黒漆塗り。
参拝記念スタンプ
東本願寺には御朱印はありません(西本願寺も)。記念スタンプを押してきました。
・浄土真宗 真宗大谷派 本山
・御本尊:阿弥陀如来
・創建:1602年
・文化財:国指定重要文化財
・京都市下京区
2023(令和5)年3月8日(水)参拝(61歳0か月)