石清水八幡宮は、京都府八幡市(やわたし)の男山山上部に鎮座する三大八幡宮の一つ。「参道ケーブル」を利用せず、表参道を歩いて上ってみることにしました。
※男山:標高142.5メートル・山頂鳩ケ峰
この記事の内容
表参道を上る
京阪電車・石清水八幡宮駅下車後、左方向へ進むと2分程度で一ノ鳥居に着きます。
扁額は「平安の三蹟」の書
一ノ鳥居の扁額は、平安の三蹟・藤原行成(ゆきなり)の書を、寛永の三筆の一人・松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)が書写したものとのこと。
※三蹟:平安中期の能書家、小野道風・藤原佐理 (すけまさ)・藤原行成
三筆は平安初期の能書家、嵯峨天皇、橘逸勢(はやなり)、空海
鎌倉・鶴岡八幡宮の扁額と比べてみました。↓
同じように見えますね、文字間以外は。
三大八幡宮の一つとされる鶴岡八幡宮は、八幡宮(八幡神社)総本社の宇佐神宮ではなく、石清水八幡宮を勧請(かんじょう)して創建されています。
なので、同じものを使っているということなのでしょうか?
「八」の字が鳩なのは、八幡神のお使い(神使)が鳩だからなんですね。
有名な「松花堂弁当」は昭乗が使っていた漆の四つ切り箱を見た料亭「吉兆」の創業者が考案したものだそうです。
裏参道には昭乗の晩年の草庵跡が「松花堂跡」として保存されています。
三大勅祭の一つ「石清水祭」の舞台
一ノ鳥居を過ぎて少し進むと古びた門が現れました。
檜皮葺か茅葺かよくわかりませんが、こういう古めかしい屋根を見るとワクワクしてきます。
ここは、頓宮(とんぐう)と呼ばれるところです。
石清水八幡宮は全国に16ある勅祭社の一つ。
年に一度の「石清水祭」は、賀茂祭(京都:上賀茂神社・下鴨神社)・春日祭(奈良:春日大社)とともに旧儀による三大勅祭の一つに数えられているそう。
頓宮は山上の本殿より御神霊が遷御(せんぎょ)される重要な社殿とのことです。
上品な感じがする社殿です。
『徒然草』に逸話が残る高良神社
頓宮を出てすぐ右手に高良(こうら)神社があります。
「仁和寺の和尚がある日、石清水八幡宮を参詣しにこの地を訪れた。
参拝を済ませたあと、山頂をめざして階段を登っていく人々の姿を見て何だろうと思ったが、そのまま帰った。
あとになって山上にあるのが石清水八幡宮と知り、『どんな小さなことでも、案内人は必要だと痛感した』」
というエピソード(古文の授業で習った記憶あり)。
そして、仁和寺の和尚が石清水八幡宮と勘違いしたのがこの高良神社だったんですね~
↑ ご覧のように小さな社殿ですが、当時はもっと立派なものだったのでしょうか?
石清水八幡宮は、皇室や武家の守護神として崇められてきたことから、この地域の人々が心のよりどころにした氏神が高良神社だったそうです。
二ノ鳥居から道は険しく
二ノ鳥居を過ぎると上りになってきました。
「石清水」の名前の由来
ここで右に折れていったん裏参道を上り、「石清水社」へ向かいます。
ここには、冬に凍らず夏にも枯れないという霊泉「石清水」が湧き出る「石清水井」があり、「石清水社」が鎮座しています。
石清水八幡宮の名前の由来となったところだそうです。
↓ 向かって右が本殿、正面が井戸の上屋である神水舎。
三ノ鳥居から本社へ
石清水社から表参道へ戻ります。
登りはまだ続きます。
三ノ鳥居に着きました! 本日のミッション完了???
本社へ向かいます。
後編はかわいい園児たちも登場
一ノ鳥居からここまで小一時間ほどを要しました(石清水社への往復がなければもっと早い)。
山と自然、歴史を感じながら歩けたのが最高によかったです。
ケーブルカーを使えば楽ちんですが、表参道を歩くことをおすすめしたいです。
後編では、国宝の本社殿や重要文化財がずらりの摂社・末社、御朱印などを紹介します。↓
●石清水八幡宮の基本情報
・三大八幡宮の一つ/二十二社(上七社)/旧官幣大社/勅祭社/別表神社
・ご祭神:
八幡大神(応神天皇、比咩大神、神功皇后の総称)
・創建:860年
・文化財:国宝、国指定重要文化財
・京都府八幡市
2023(令和5)年3月7日(火)参拝(61歳0か月)