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神社仏閣めぐり初心者が始めた「なるほど」参拝紀行

【京都・石清水八幡宮(前編)】仰ぎ見る 鳥居の先に やわたの神|60歳からの御朱印めぐり〔034/541〕

石清水八幡宮は、京都府八幡市(やわたし)の男山山上部に鎮座する三大八幡宮の一つ。「参道ケーブル」を利用せず、表参道を歩いて上ってみることにしました。
※男山:標高142.5メートル・山頂鳩ケ峰

この記事の内容

表参道を上る

京阪電車石清水八幡宮駅下車後、左方向へ進むと2分程度で一ノ鳥居に着きます。

石清水八幡宮_一の鳥居

一ノ鳥居と社号票

石清水八幡宮_一の鳥居

鳥居越しに見えるのが男山山上部。あのあたりに八幡さまがご鎮座

扁額は「平安の三蹟」の書

一ノ鳥居の扁額は、平安の三蹟藤原行成(ゆきなり)の書を、寛永の三筆の一人・松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)が書写したものとのこと。

三蹟:平安中期の能書家、小野道風藤原佐理 (すけまさ)・藤原行成
三筆は平安初期の能書家、嵯峨天皇橘逸勢(はやなり)、空海

鎌倉・鶴岡八幡宮の扁額と比べてみました。↓

八幡宮_扁額

左:石清水八幡宮/右:鶴岡八幡宮

同じように見えますね、文字間以外は。

三大八幡宮の一つとされる鶴岡八幡宮は、八幡宮八幡神社)総本社の宇佐神宮ではなく、石清水八幡宮を勧請(かんじょう)して創建されています。

なので、同じものを使っているということなのでしょうか?

「八」の字が鳩なのは、八幡神のお使い(神使)が鳩だからなんですね。

ちなみに、松花堂昭乗石清水八幡宮の社僧だった人。

有名な「松花堂弁当」は昭乗が使っていた漆の四つ切り箱を見た料亭「吉兆」の創業者が考案したものだそうです。

裏参道には昭乗の晩年の草庵跡が「松花堂跡」として保存されています。

三大勅祭の一つ「石清水祭」の舞台

一ノ鳥居を過ぎて少し進むと古びた門が現れました。

檜皮葺か茅葺かよくわかりませんが、こういう古めかしい屋根を見るとワクワクしてきます。

石清水八幡宮_頓宮

ここは、頓宮(とんぐう)と呼ばれるところです。

石清水八幡宮は全国に16ある勅祭社の一つ

年に一度の「石清水祭」は、賀茂祭(京都:上賀茂神社下鴨神社)・春日祭(奈良:春日大社)とともに旧儀による三大勅祭の一つに数えられているそう。

頓宮は山上の本殿より御神霊が遷御(せんぎょ)される重要な社殿とのことです。

上品な感じがする社殿です。

徒然草』に逸話が残る高良神社

頓宮を出てすぐ右手に高良(こうら)神社があります。

石清水八幡宮_高良神社

高良神社は兼好法師の『徒然草』に逸話が残る神社。

仁和寺の和尚がある日、石清水八幡宮を参詣しにこの地を訪れた。

参拝を済ませたあと、山頂をめざして階段を登っていく人々の姿を見て何だろうと思ったが、そのまま帰った。

あとになって山上にあるのが石清水八幡宮と知り、『どんな小さなことでも、案内人は必要だと痛感した』」

というエピソード(古文の授業で習った記憶あり)。

そして、仁和寺の和尚が石清水八幡宮と勘違いしたのがこの高良神社だったんですね~

石清水八幡宮_高良神社

石清水八幡宮_高良神社

↑ ご覧のように小さな社殿ですが、当時はもっと立派なものだったのでしょうか?

石清水八幡宮は、皇室や武家の守護神として崇められてきたことから、この地域の人々が心のよりどころにした氏神が高良神社だったそうです。

二ノ鳥居から道は険しく

二ノ鳥居を過ぎると上りになってきました。

石清水八幡宮_二の鳥居

石清水八幡宮_七曲がり

七曲がり。完全に山です

石清水八幡宮_表参道

上るぞ!

石清水八幡宮_大扉稲荷社

大扉稲荷社。車折神社に似てる?

「石清水」の名前の由来

ここで右に折れていったん裏参道を上り、「石清水社」へ向かいます。

石清水八幡宮_石清水社

石清水社(摂社)

ここには、冬に凍らず夏にも枯れないという霊泉「石清水」が湧き出る「石清水井」があり、「石清水社」が鎮座しています。

石清水八幡宮の名前の由来となったところだそうです。

↓ 向かって右が本殿、正面が井戸の上屋である神水舎。

石清水八幡宮_石清水社

山の雰囲気に気分爽快!

石清水八幡宮_石清水社

こんな装飾も

三ノ鳥居から本社へ

石清水社から表参道へ戻ります。

登りはまだ続きます。

石清水八幡宮_表参道

こう見えても中年の頃は山登りをしていた(いや、山歩き)

三ノ鳥居に着きました! 本日のミッション完了???

石清水八幡宮_三の鳥居

本社へ向かいます。

石清水八幡宮_表参道

石清水八幡宮_手水舎

手水舎

石清水八幡宮_南総門

南総門。ここをくぐると本社殿!

後編はかわいい園児たちも登場

一ノ鳥居からここまで小一時間ほどを要しました(石清水社への往復がなければもっと早い)。

山と自然、歴史を感じながら歩けたのが最高によかったです。

ケーブルカーを使えば楽ちんですが、表参道を歩くことをおすすめしたいです。

後編では、国宝の本社殿や重要文化財がずらりの摂社・末社御朱印などを紹介します。↓

pirooh.hatenablog.com

 

石清水八幡宮の基本情報

・三大八幡宮の一つ/二十二社(上七社)/旧官幣大社/勅祭社/別表神社
・ご祭神:
 八幡大神応神天皇、比咩大神、神功皇后の総称)
・創建:860年
文化財:国宝、国指定重要文化財
京都府八幡市

2023(令和5)年3月7日(火)参拝(61歳0か月)