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神社仏閣めぐり初心者が始めた「なるほど」参拝紀行

【京都・上賀茂神社】賀茂川の かみの社に 桜花|60歳からの御朱印めぐり〔039/541〕

上賀茂神社_楼門

京都市北区賀茂川の近くに鎮座する上賀茂神社は、京都の桜の名所の一つです。京都でもっとも古い神社の一つであり、格式の高い神社です。

この記事の内容

上賀茂神社下鴨神社はどういう関係?

上賀茂神社と似た名前の神社に下鴨神社がありますね。

両社はどういう関係なのでしょう?

上賀茂神社の近くを流れる賀茂川に沿って4kmほど下ると賀茂川は高野川と合流し、その北側に下鴨神社があります。

賀茂川

賀茂川(上流方向を望む)

もともと両社が鎮座する一帯は、古代の豪族、賀茂氏の勢力地だったところ。

両社合わせて「賀茂社」と呼ばれており、一社ずつの場合は鎮座地の関係で上賀茂社(上社)、下鴨社(下社)と呼ばれていたそうです。

もとは一つの神社だったんですね。

・豆知識
高野川との合流地点から下流は、「賀茂川」ではなく「鴨川」と書きます。

官幣大社筆頭

大鳥居に着きました。

お目当ては桜ですが、上賀茂神社世界遺産に登録されており、すばらしい神社に違いありません。

上賀茂神社_大鳥居

大鳥居前の社号票「賀茂大社」

上賀茂神社は古代より皇室の崇敬が高く、明治以降も伊勢の神宮に次ぐ官幣大社の首位に置かれていました。
官幣大社(かんぺいたいしゃ):古くは神祇官から、明治以降は天皇陛下から幣帛(へいはく・神前にささげる供物)を奉った社格の高い神社。

現在も幣帛を奉る勅祭社の一つであり、例祭の賀茂祭葵祭)は、京都三大祭りの一つに数えられています。

上賀茂神社_一の鳥居

一の鳥居

枝垂れ桜も由緒アリ!

上賀茂神社は京都の桜の名所の一つ。参道脇の緑地がお花見スポットです。

上賀茂神社_参道

白砂の参道

上賀茂神社_枝垂れ桜

枝垂れ桜の巨木。手前が「斎王桜」、奥の白っぽいのが「御所桜」

上賀茂神社_桜

「斎王桜」。なかなかの枝ぶり

宮中では古来より、未婚の皇女を神の御杖代(みつえしろ)として伊勢の神宮に差し遣わし、「斎王(さいおう)」として祭事に奉仕する例があったとのこと。

この伊勢神宮斎宮の制に準じて斎王が派遣されたのは賀茂神社だけとのことです。

賀茂神社がいかに皇室から崇敬されてきたかがわかる話です。

それにしても、皇女を遣わして神に奉仕するというのは皇室と神(社)の関係を物語っていますね。ご利益願いのわれわれ現代庶民には計り知れないものがありそうです。

上賀茂神社_桜

「御所桜」は孝明天皇から下賜されたものだそう

上賀茂神社_風流桜

「風流桜」。今年は開花が早かったせいか散り気味で、少し残念

上賀茂神社_二の鳥居

二の鳥居

写真右の標柱には「第四十三回式年遷宮 令和十八年斎行」とあります。

式年遷宮というと伊勢神宮のものだと思っていましたが、ほかの神社にもあったんですね・・・(汗)。

伊勢神宮は20年に一度ですが、上賀茂神社は21年ごとのようです。

ご祭神と由緒

ご祭神は電気の神さま?

上賀茂神社は通称で、正式名称は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)です。

ご祭神は、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)

さまざまなご利益があるなかで、雷除けのほかに「電気産業守護」というのもあります。(ピンポイント過ぎてちょっとおもしろい)

創祀は2600年以上前!

上賀茂神社は京都でもっとも長い歴史を有する神社の一つ。創祀は神武天皇の御代にまでさかのぼります。

上賀茂神社_細殿

「細殿(ほそどの)」(重文)

細殿は、かつて天皇や斎王、上皇が本殿参拝前のひとときを過ごした場所。現在は、挙式の場として利用されているそう。

細殿前の円錐形の砂山は「立砂(たてずな)」といいます。

この「立砂」は上賀茂神社のご祭神と創祀に深く関係しています。当社のホームページに掲載されている神話などから簡単にまとめてみました。

・賀茂一族の玉依比売命(たまよりひめのみこと)が産んだ御子神元服の祝宴の際、雷鳴とともに天に昇ってしまった。このとき御子神賀茂別雷命と名づけられた

玉依比売命とその父の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が再び御子神に会いたいと願っていたところお告げがあり、お迎えしたところ神山(こうやま)に降臨された。
※神山:本殿の北北西約2kmのところにある円錐形の美しい山(標高301.5メートル)

・そこで、祭りが始まったことが上賀茂神社の起源。

上賀茂神社_立砂

立砂(たてずな)

この「立砂」は、賀茂別雷命が降臨した神山を模したもので、本殿がなかった時代の祭場のなごりだそうです。

立砂が二つあるのは陰陽思想の影響で、頂には松の葉が向かって左に三本、右に二本立てられています。(寄りで撮ってみたのですが確認できませんね)

また、盛り塩や、鬼門にまく清めの砂の起源ともされるそうです。

玉依売比命と賀茂建角身命は、下鴨神社にご祭神として祀られています。下鴨神社の正式名称は、賀茂御租神社(かもみおやじんじゃ)。「おや」が祀られているということですね。

上賀茂神社_枝垂れ桜

みあれ桜

平安時代の佇まい

上賀茂神社には国宝2棟、重要文化財が41棟あり、平安時代の佇まいを残すことから境内全域が世界文化遺産に登録されています。

上賀茂神社_楼門

↑ 楼門(重文) ↓

上賀茂神社_楼門

上賀茂神社

▼楼門の先の中門。こちらでお詣りします。

上賀茂神社_中門

楼門とは打って変わって落ち着いた感じのつくり。

上賀茂神社_中門

中門の奥に、国宝の本殿と権殿(ごんでん)が向かって右・左に並んでいます。
※権殿:本殿の修復が必要な時に一時的にお遷りいただく仮殿。

▼中門から中を撮影。この右奥に本殿があります。

上賀茂神社_本殿・権殿

ここからは境内社をいくつか紹介します。

摂社・末社もほとんどが重文指定を受けています。

▼ご祭神の母神・玉依売比命を祀る片山御子神社。紫式部も参拝に訪れたようです。

上賀茂神社_片山御子神社

片山御子神社(重文)

上賀茂神社_境内社

橋本神社(重文)

上賀茂神社_境内社

須波神社(重文)

上賀茂神社_境内社

川尾神社(重文)

境内の東側は森のような雰囲気。↓

上賀茂神社_ならの小川

ならの小川

岩の上に鎮座する社を初めて見ました。

上賀茂神社_境内社

岩本神社(重文)

神が降臨した山を発見!?

ひと通り参拝を終え、境内の西側に出ました。

上賀茂神社_桜

西鳥居付近の桜

▼下の写真は、境内西側の道路から後ろを振り返ったときのもの。山が見えたので風景の一コマとして撮っておいたものです。(山好きです)

上賀茂神社_神山

あとでわかったのですが、どうやらこの山が賀茂別雷命が降臨したとされる神山のようです。

完全に確認はできていませんが、観光情報サイトに似たような画像があったので、おそらく間違いないと思います。

御朱印

直書きです。右上の朱印が葵(二葉葵)の御神紋です。

上賀茂神社_御朱印

 

●上賀茂(賀茂別雷)神社の基本情報

式内社名神大社)/山城国一宮/二十二社(上七社)/旧官幣大社/勅祭社/別表神社
・ご祭神:
 賀茂別雷大神
・創建:677年
文化財:国宝、国指定重要文化財世界文化遺産
京都市北区

2023(令和5)年3月29日(水)参拝(61歳0か月)