琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)に鎮座する都久夫須麻(つくぶすま)神社※には、水にまつわる神々が祀られています。 ※以下、竹生島神社
この記事の内容
竹生島へ渡る
琵琶湖東・南岸旅行の2日目は、まず竹生島をめざします。
・米原駅ー(JR琵琶湖線快速)→彦根駅(乗車時間5分)
・彦根駅ー(8:30発 無料シャトルバス)→オーミマリン彦根港(乗車時間8分)
・オーミマリン彦根港ー(9:00発 定期観光船)→竹生島 9:40着(乗船時間40分)
料金:大人往復3,200円
帰りの便が11:00発なので、滞在時間は80分です。
こうして地図を見ると、前日の琵琶湖南岸の石山寺から、この日は北端の竹生島まで、ずいぶん移動したんだなぁとあらめて気づいた次第。
竹生島誕生伝説
竹生島について、こんな伝説があります。
・伊吹山の神とその姪(浅井姫命(あさいひめのみこと))の2神がたがいに山の高さを競っていた。
・ある夜、姪っ子のほうが急に高くなり、怒ったおじさんは姪っ子を斬った。(狂暴~)
・姪っ子の頭が琵琶湖に落ちて、竹生島になった。(奇想天外)
ということで、竹生島そのものがご神体と考えられています。
▼竹生島はこんなお姿。
緑がこんもりしてます。
周囲2kmの小さな島ですが、琵琶湖では2番めに大きい島です。
島の南東にある船着き場以外は、急峻な崖になっています。
▼窓越しに1枚
▼まもなく接岸
▼上陸~
▼乗ったのはこれ
○に橘を描いた井伊家の家紋「彦根橘」や、旗印として使われていた「井桁」があしらわれていました。
彦根発着なので、「井伊推し」のようです。
境内はどうなっている?
竹生島神社は上図右下、赤で囲んだところです。
江戸時代までは神仏混淆のため神社と寺院は明確に区分けされていませんでした。
現在でも、竹生島神社本殿は宝厳寺の唐門・観音堂と渡り廊下(通称「舟廊下」)で直接つながっています。
▼拝観受付を済ませて、1つめの石段
鳥居のところで右へ折れると竹生島神社に着きますが、そちらには向かわずに次の石段を上りました。
(今思うと、ここで右に行けばよかった・・・)
▼2つめの石段
鳥居のところまで上ると、右手に唐門が見えました。
唐門から観音堂に入り、舟廊下を進むと、
竹生島神社本殿(拝殿)の左脇に出ました。
「あれあれっ? 横に出ちゃったよ」というのがこのときの感想。
ふだんは本殿(拝殿)を正面から見て、「お~、ここか~」と襟を正してお参りしますが、今回は変則な形になってしまいました。
水の神を祀る
ご祭神と由緒
・浅井姫命(元:山の神、今:水の神)
・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
・宇賀御魂命(うかのみたまのみこと)
竹生島神社は、社伝によると雄略三年、小さな祠を建てて浅井姫命を祀ったのが始まりとされています。
その後、8世紀前半には市杵島姫命が祀られ、平安時代以降に神仏習合が進むと弁才天を本地仏として祀り、明治になるまで宝厳寺と一体で信仰されてきました。
市杵島姫命≒弁天さま
市杵島姫命は、天照大御神と須佐之男命の誓約で生まれた宗像三女神(むなかたさんじょしん)の一柱(三女)です。
市杵島姫命は二人の姉とともに玄界灘に浮かぶ筑紫宗像の島々に降り、鎮座されました。(世界文化遺産・宗像大社のご祭神)
日本から朝鮮半島、大陸への海上交通の安全を守る神、そして、水を司る神として信仰され、神仏習合では市杵島姫命は弁才天と同一視されてきました。
国宝の本殿
本殿は明治時代以前は宝厳寺の本堂でした。
16世紀中ごろに焼失し、その後、豊臣秀頼により復興されました。
秀吉の居城であった伏見城の勅使殿「日暮御殿(ひぐらしごてん)」の一部を秀頼が寄進したものと伝えられ、国宝に指定されています。
明治の神仏分離により、本堂は竹生島神社の本殿として引き渡されることになりました。
境内社
境内社を紹介します。
▼白巳社
弁才天の神使である白蛇神の白巳大神を祀っています。
白蛇は白化現象を起こした蛇。縁起のよい動物として日本各地で信仰の対象となっています。
▼弁財天社
八大竜王とは、お釈迦様が「法華経」を説いたときに説法を聴いた8尊の竜神。仏法の守護者とされています。
八大竜王拝所は、琵琶湖にいると考えられている八大竜王を拝む場所と思われます。
本殿の対面、島の斜面に突き出すように設けられており、竹生島の中でいちばんの景色を楽しめるところです。
これにて竹生島神社の参拝は終了。船着き場方面へ戻ります。
▼参道は舟廊下のすぐ下
さきほど渡ったときは気づきませんでしたが、こんな風に崖の上に作られていたんですね~
この参道を戻ると、1つめの石段を上った鳥居のところに出ます。
あそこで右に曲がっていれば、神社本殿を仰ぎ見る位置に出られた、ということがようやくわかりました。
御朱印
書き置きでした。
●都久夫須麻神社(竹生島神社)の基本情報
・式内社
・主祭神:浅井姫命、市杵島姫命、宇賀御魂命
・創建:伝・雄略三年
・文化財(建造物):国宝
・滋賀県長浜市
2024(令和6)年10月22日参拝(62歳8か月)