東京都文京区に鎮座する白山神社は紫陽花の名所の一つ。6月には「文京あじさいまつり」が開かれ、約3,000株の紫陽花が季節を彩ります。『日本書紀』に登場する女神・菊理姫命(くくりひめのみこと)を祀っています。
東京十社の一社
東京十社とは?
東京十社とは、明治元年、明治天皇が東京の鎮護と万民の平安を祈願された都内にある10の神社。
勅祭社に准ずる神社として准勅祭社に定められました。現在、この制度はなくなり「元准勅祭社」とされています。
※勅祭社:例祭日などに天皇が使いを差し向け、御祭神に幣帛(へいはく・お供え物)を奉る神社
↓ 鳥居をくぐるとすぐ右手に社務所があります。
↓ 左手には手水舎。
↓ 水の中に(たぶん)紫陽花がありました~
新種の(←自分にとっては)花手水(?)
↓ 阿形(あぎょう)の狛犬さん。髪をお団子にまとめているのでしょうか?
体つきはぬいぐるみみたいだけど、金の目が何気に怖い。
↓ 吽形(うんぎょう)の狛犬さん。こちらは角をはやしいるような。
これがさがし求めていた(?)1本角の狛犬なのだろうか?
↓ 平日でしたが、拝殿前には列ができていました。
白山神社の創建は10世紀中ごろ、平安時代です。白山比咩(しらやまひめ)神社から勧請されました。
※白山比咩神社:全国に3,000社余りあるとされる白山神社の総本宮(石川県白山市)
※勧請:神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること
その後、江戸時代には5代将軍徳川綱吉と、その母である桂昌院(けいしょういん)の崇敬を受け、以降、徳川将軍家から信仰されてきたとのことです。
イザナギ・イザナミの仲をとりもった女神
白山神社のご祭神は、菊理姫命、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)の3神です。
伊弉諾命(男神)、伊弉冊命(女神)は、日本神話に登場する神さまの中でも超重要な夫婦神。日本の国土を生んだ国生みの神です。
この3神にまつわる伝承をざっくりまとめてみました。
※以下、伊弉諾命は「イザナギ」、伊弉冊命は「イザナミ」と表記
・イザナミは国土を生んだ後、火の神を生んだ時のやけどが原因で亡くなってしまいます。
・悲しんだイザナギは黄泉の国(よみのくに)へ行き、イザナミと再会を果たします。
・その際、イザナミが自分の姿を見ないようにと言ったにもかかわらず、イザナギは約束を破り、醜く変わり果てたイザナミの姿を見て逃げ出してしまいます。
・怒ったイザナミはイザナギを追いかけ、黄泉平坂(よもつひらさか)で口論となります。
・そこに菊理媛命が現れ、イザナギとイザナミの仲をとりもった・・・
というお話です。そのため、菊理媛命は縁結びの神とされているんですね。
伊弉諾命、伊弉冊命も夫婦ですから、この3神は日本神話的には最強の縁結びトリオ神なのかもしれません。
菊理媛命は、白山比咩神社の主祭神である白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)と同一視されています。
↓ 彫刻が見事!
紫陽花の名所
拝殿前の参道脇に紫陽花がたくさん咲いています。
参拝した日は「文京あじさいまつり」の期間中。2023年は6月10日(土)~18日(日)までです。
境内と隣接する白山公園に合計約3,000株の紫陽花があるそうです。
↓ 写真左の道を進むと本殿の後方、白山公園に出ます。
↓ 本殿が見えました。なかなか立派です。
普段は門が閉じられていますが、あじさいまつりの期間中のみ開放されるとのこと。
紫陽花がきれいらしいのですが、行列になっていたのでスルーしました~
↓ 白山神社の社殿は権現造りとのこと。
※権現造り:拝殿と本殿を石の間(相の間)でつなぎ、一連の建物とする建築様式
紫陽花たち
↓ 上の紫陽花の角度違い。紫陽花じゃないみたい。
紫陽花にもいろんな種類があるんですね~
●紫陽花好きの方はこちらの記事もご覧ください。↓
御朱印「白山神社」
御朱印は書置きのみでした。
●白山神社の基本情報
・元准勅祭社/東京十社
・ご祭神:菊理姫命、伊弉諾命、伊弉冊命
・創建:948年
・東京都文京区
2023(令和5)年6月13日(火)参拝(61歳3か月)