富士山本宮浅間(せんげん)大社は、富士山をご神体とする神社です。境内には富士山の雪解け水が湧き出してできた湧玉(わくたま)池があり、清らかな水をたたえています。
この記事の内容
「富士宮やきそば」の富士宮へ
▼熱海から富士宮へ
▼東海道本線から身延線に乗り換えて北上。1時間2分で到着しました。(990円)
「富士宮」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「富士宮やきそば」。
立派な神社があると知ったのは割と最近 ♪
▼ビルの間から見えたので、すかさず1枚。
▼駅前のホテルに荷物を預けて向かいます。
▼途中、鳥居が見えたので条件反射的に1枚。
屋根まで赤い棹地稲荷神社。
▼民家越しに2枚目。
このあたりの住民の方はいつでも富士山を見られるんですね。うらやましい。
▼着きました。
富士宮駅からは徒歩約15分です。
富士山のお宮
富士山本宮浅間大社は富士山をご神体とします。
こちらの本宮地のほかに、八合目から上は山頂にある奥宮の境内地(私有地!)となっています。
また、鎮座地である富士宮市の名前の由来ともなっています。(←今さらながら「なるほど~」)
家康が現社殿を造営
富士山本宮浅間大社の創祀は古く、BC27年までさかのぼるようです(社伝による)。
富士山麓に祀られていましたが、9世紀初めに坂上田村麻呂が現在地に遷しました。
現在の社殿は、関ケ原の戦いに勝利した徳川家康が1604年に造営したものです。
その後、地震で倒壊したものもあり、当時の建物で現存するのは本殿・幣殿・拝殿・楼門とのこと。
2013年には、世界文化遺産「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つとして登録されました。
明後日からの例大祭(11月3~5日)の準備が始まっているようでした。
▼「左の提灯がきれいに揃ってないぞ!」となって、掛け直すことになったよう。
▼待ってられないので、先へ進みます。
拝殿の後ろに見えるのは本殿です。
2階建ての本殿
当社の本殿は、社殿の上に別の社殿をのせた二重の楼閣造で、「浅間造(せんげんづくり)」と呼ばれます。
2階建てなので、拝殿越しでも本殿がよく見えます。
浅間造は神社建築としては独特な形式であり、他に例はなく、1300社以上ある浅間神社の中でも当社を含めて4社しかないとのことです。
家康というと、東照宮の「権現造」ですが、「浅間造」まで編み出したんですね。
▼左側から見た本殿
▼後方から見た本殿。透塀(すきべい)の周りを歩けるようになっています。
美女が火山の神に?
主祭神は女神さま
ご祭神について。
主祭神:木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと。さくやびめ)
=浅間大神(あさまのおおかみ)
相殿神:大山祇神(おおやまづみのかみ) 木花之佐久夜毘売命の父神
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと) 木花之佐久夜毘売命の夫神
木花之佐久夜毘売命は、いかにも女神らしい名前です。しかも、美女だったらしい。
父神の大山祇神は、山をつかさどる神。
夫神の瓊瓊杵尊は、高千穂峰に天降った天孫(天照大御神の孫、天孫降臨)。
どちらも、山に関係がある神です。
「浅間」って、なに?
富士山本宮浅間大社の「浅間」って、何だろうと思っていましたが・・・
Wikipediaによると、
「浅間」とは、諸説あるが「火山」を意味するとされる。
8世紀後半に富士山が噴火し、富士山の神霊を鎮めるために浅間神を祀ったのが、社伝とは別に実際の創祀と考えられるそう。
なぜ、サクヤビメが?
当社は富士山の神霊=浅間神=火(山)の神を祀ってきたわけですが、木花之佐久夜毘売命を浅間大神として祀るようになったのは近世以降とのこと。
では、なぜ、美しい女神の木花之佐久夜毘売命が火(山)の神として祀られたのか?
⇒
・美しい山容から富士山の神霊を女神と見る信仰が古くからあった
・木花之佐久夜毘売命には、産屋に自ら火を放って火中で出産する話があり(記紀神話)、「火」にまつわる事象である
・山をつかさどる大山祇神の娘
ということで、木花之佐久夜毘売命に白羽の矢が立った、ということなのでしょうか?
雪解け水をたたえる
境内の東側には湧玉池があります。
湧玉池は富士山の雪解け水が湧き出てできた池です。
水温は常に13度で、湧水量も年間を通して増減がほとんどないそう。
湧玉池は国の特別天然記念物に指定されています。
富士山登山者は湧玉池の霊水で禊ぎをしてから登山するのが昔からの習わしとのこと。
▼面白かったので、連写してしまいました。(神路橋の上から)
満足したのか、収穫がなかったのか、橋下に行ってしまいました。
なんか、楽しかったよう~
▼お魚さんも
▼川沿いの道を歩いて振り返る。
▼一通り回ったので、楼門へ戻ると・・・
提灯がきれいに揃っていました。お祭りの準備完了!?
▼参拝を終えて、お宮横丁へ。
▼まずは、
いわしの粉と青のりをたっぷりかけて食べるのが静岡おでんなのだとか。
大根に味が染みて、めちゃくちゃおいしかった。
あと、牛すじがトロトロ。すじ肉とは思えなかった。
▼お約束の一品
甘辛いソースと硬めのキャベツがおいしかった。
こちらも同じような粉が振りかけられていた。
お腹も心も満たされてホテルへ向かいます。
木花之佐久夜毘売命の「木花」とは桜を指します。
境内には500本以上の桜が植えられていて、春には桜と富士。まさに、ジャパン!という風景が見られそうです。
次は桜の季節に来たいですね。また来られるかどうかはわかりませんが・・・
桜にサクヤビメを重ね合わせて見ると、違った感慨があるものなのでしょうか。
御朱印「富士山本宮」
直書きでいただきました。
●富士山本宮浅間大社の基本情報
・主祭神:木花之佐久夜毘売命(浅間大神)
相殿神:大山祇神、瓊瓊杵尊
・浅間神社の総本宮/駿河国一宮/式内社(名神大)/旧官幣大社/別表神社
・創祀:(伝)第11代垂仁天皇3年(BC27年)
・文化財:重要文化財/世界文化遺産
・静岡県富士宮市
2023(令和5)年11月1日(水)参拝(61歳8か月)