本殿は山の中腹にありますが、海辺近くにある「走り湯」(源泉)が神格化されて祀られ、かつては走湯(そうとう)大権現と(伊豆山権現とも)呼ばれていました。
この記事の内容
富士山、どうかな?
先日、電車のホームから雪化粧をしている富士山を目撃。
もう見頃になったのかと思い、静岡方面の寺社回りを思いついた。
伊豆山神社、三嶋大社、久遠寺、富士山本宮浅間大社の4つをめぐる予定で出かけました。(結果、久遠寺は行かず、寒川神社になった)
品川からJR踊り子号に乗り、まずは熱海へ。
バスはだいだい1時間に3本あり、接続はさほど気にする必要はなさそうです。
▼神社の真ん前にバス停「伊豆山神社前」があります。
伊豆山神社の本殿は標高170メートルくらいのところにあり、ここから180段ほどの階段の参道を上ることになります。
参道はここが起点ではなく、海辺にある「走り湯」の近くから始まっていて、全部で837段あるらしい。
※走り湯:洞窟の奥から噴出する横穴式の源泉
▼バス停のある道を挟んだ反対側に「走り湯」近くにつながる階段があります。
(今回は?)180段で勘弁していただいて、上ります。
▼途中、階段脇に摂社・末社がいくつかあり、写真を撮りながら実は休憩?
7世紀末に伊豆大島に配流され、昼間はおとなしくしていたが、夜間に飛行の術を駆使!して伊豆山権現に飛来!!し、修行を重ねたという言い伝えがあるらしい。
頼朝だけでなく、役行者にもゆかりのある場所と判明。
温泉が神さまに?
階段を上りきると、左手には手水舎。
この紅白の龍はなに?
ということで、伊豆山神社HPとWikipediaを総合してざっくりまとめると、次のようになります。
・赤白二龍は伊豆山の地底にいて、「赤龍は火、白龍は水の力を掌り、二龍の力を合わせて温泉を生み出す」
・『走湯山縁起』には、「伊豆山大神」が赤龍と白龍の二龍の姿となって温泉を生み出すさまが描かれている。
つまり、赤白二龍は伊豆山神社のご祭神の化身。
・伊豆山大神の「神威の源は、湧き出る霊湯「走り湯」であり、走湯大権現とはこれを神格化した呼び名で、伊豆の国名は湯出づる神である御祭神の神徳に由来」。
ということは、
「伊豆山から湧き出る温泉が神格化され、伊豆山大神として祀られた」
と理解してよさそうですね。
関八州総鎮護の社
伊豆に流されていた源頼朝は、源氏再興を伊豆山神社に祈願し、鎌倉幕府を開いた後、神恩に感謝し、当社を「関八州総鎮護」と崇めました。
伊豆山権現と箱根権現(箱根神社)は「二所権現」とされ、鎌倉幕府の歴代将軍などにより「二所詣」が行われ、その後も後北条氏や徳川将軍家からも厚い崇敬を受けたとのことです。
▼頼朝・政子腰掛け石
伊豆山神社は頼朝が政子と逢瀬(デート)を重ねたところとされています。
▼拝殿へ向かいます。
社殿は豊臣秀吉の小田原征伐の際に焼失し、現在の社殿は江戸時代に再建されたものとのこと。
▼極彩色の彫刻は徳川風?
あるサイトによると「徳川家康により復興され」とあるので、やはり。
▼本殿
本殿はほとんど見えなかったり、少ししか見えなかったりするところが多いように思いますが、ここはよく見えます。(うれしい)
ちなみに、駐車場があるので、車でここまで上がって来られる。
▼小泉今日子が奉納したという鳥居
知人つながりで奉納されたらしい。
▼海を望む。
▼摂社の雷電社(若宮)
▼上ってきた階段を見下ろす。
バス停のところまで下りて、参拝終了です。
伊豆山神社へ行こうと思ったのは、『鎌倉殿の13人』を見たのがきっかけ(頼朝が挙兵して鎌倉入りするまでの間、政子らが身を隠したのが伊豆山権現)。
いろいろ調べると家康にもつながったりしてなかなか興味深いところでした。
源泉が神格化されたというのも、熱海らしくておもしろい。
こうしてブログにまとめていると、行ってよかったなという思いが湧いてきます。
御朱印「伊豆山神社」
書き置きでした。
●伊豆山神社の基本情報
・ご祭神:
火牟須比命(ほむすびのみこと)、天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、
拷幡千千姫尊(たくはたちぢひめのみこと)、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
・式内社(小)論社、旧国幣小社、別表神社
・創建:不詳(紀元前5世紀~紀元前4世紀)
・静岡県熱海市
2023(令和5)年11月1日(水)参拝(61歳8か月)