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神社仏閣めぐり初心者が始めた「なるほど」参拝紀行

【奈良・春日大社】燈籠と 聖なる鹿の 大社|60歳からの御朱印めぐり〔050/541〕

春日大社_藤波之屋

春日大社は燈籠がたくさんあることで知られています。奈良公園内にあり、神さまのお使いとされる鹿たちが参拝者を迎えてくれます。

この記事の内容

JR奈良駅からバス乗車約10分で到着。参道を歩きます。

春日大社_参道

燈籠の数は3000!

参道には燈籠がずらり。

春日大社_燈籠

「春日社」の燈籠。9割以上は「春日社」と書かれているとのこと

春日大社には約3000の燈籠石燈籠:2000、釣燈籠1000)があり、日本一多いとのこと。

参道に燈籠を並べる風習は春日大社から始まったとされています。

春日大社_燈籠

「春日大御神」と書かれた燈籠

「春日社」「春日大御神」のほかに「春日大明神」と書かれた燈籠が15基ほどあって、そのうち5つを見つけるとお金持ちになれるのだとか。

春日大社_燈籠

春日大社_二之鳥居

二之鳥居

春日大社_狛犬

「奈良のシカ」は春日大社が発祥

続いて鹿の話。

春日大社のある奈良公園には野生の鹿がたくさんいて、その数約1200頭(2022年7月現在。奈良の鹿愛護会)。

公園や境内だけでなくふつうに道路にまで出没します。

奈良県庁近くの歩道で外国人にからんでみたり、赤信号をゆっくりと横断してドライバーの肝を冷やしたりしてました~ 

人間のことを怖がるようすがなく、ひたすら「鹿せんべい」をおねだりします。

春日大社_燈籠

鹿せんべい、ちょうだい」

このような場所は世界的にも珍しいそうです。

これは、春日大社に祀られている神さまが常陸国茨城県)から白鹿に乗って来られたと伝えられていて、鹿は神のお使いと考えられ大切にされてきたからなんですね。

現在、奈良公園周辺の鹿は「奈良のシカ」として天然記念物に指定され保護の対象となっています。

その際、文化庁は「古来、神鹿として春日大社と密接にかかわり」(Wikipediaより)としていて、「奈良のシカ」と春日大社が深く関係していることがわかります。

鹿たちが人に馴れ、私たちを和ませてくれるのは春日大社のおかげと言えそうです。

なお、「鹿せんべい」の売上げの一部は鹿の保護活動費に充てられています。

春日大社_伏鹿手水所

伏鹿手水所 (ふせしかのてみずしょ)

本殿を特別参拝

▼南門(重要文化財)に来ました。

春日大社_南門

▼門をくぐると左手に幣殿・舞殿があります(重要文化財)。

こちらでもお参りできますが、本殿特別参拝(500円)をしました。

▼右にある石段を上ります。

春日大社_本殿

中門と左右に伸びる御廊(おろう)。いずれも重要文化財

春日大社では20年に一度「式年造替(ぞうたい)」が行われ、社殿がきれいにされます。

「式年造替」はこれまで60回行われているそうですが、60回を越えるのは伊勢神宮春日大社だけとのこと。

春日大社_本殿

中門の先に本殿(国宝)があり、ここでお参りします。

藤原氏氏神を祀る

春日大社の本社では四柱の神さまを祀っています。

武甕槌命(たけみかづちのみこと)
経津主命(ふつぬしのみこと)
天児屋根命(あめのこやねのみこと)
比売神(ひめのかみ)

奈良に都が移されたころ、藤原不比等(ふひと)が(※定説ではない)茨城県鹿島神宮から武甕槌命を迎え、春日の御蓋山(みかさやま)山頂に祀ったとされています。
藤原不比等:藤原(中臣)鎌足の子。娘を聖武天皇に嫁がせ(光明皇后)、天皇の外祖父(母方の祖父)として権力を握り、藤原氏繁栄の基礎をつくった

このとき、武甕槌命は白鹿に乗ってやって来られたとされています。

春日大社_白鹿みくじ

白鹿みくじ。本当はおみくじをくわえています(600円)

その後、御蓋山の麓(現在地)に社殿が造営され(768年)、他の三柱の神さまと合わせ祀られました。

阿倍仲麻呂の歌、

「天の原 ふりさけみれば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも」

の「三笠の山」は御蓋山のことを指します。

春日大社藤原氏氏神神社として栄え、現在、全国に約3000社ある春日神社の総本宮となっています。

釣燈籠もやたらに多い

釣燈籠は他の社寺でも見てきましたが、春日大社の回廊(重要文化財)は釣燈籠だらけ。

春日大社_釣灯篭

春日大社_釣灯篭

春日大社_釣灯篭

「万燈籠」を再現

回った順序とは異なりますが、藤浪之屋(ふじなみのや)(重要文化財)を紹介します。

春日大社では2月の節分と8月14日・15日の夜に、約3000基あるすべての燈籠にいっせいに火を灯す「春日万燈籠」が行われます。

その万燈籠を感じてもらうために神職の詰所だった藤波之屋を開放し、100を超える燈籠によって万燈籠が再現されています。

▼写真右側の入り口から中へ入ります。

春日大社_藤浪之屋

春日大社_万燈籠

中は真っ暗で足元がおぼつかず、最初はおそるおそる歩いてました~ (;^_^A

春日大社_万燈籠

春日大社_藤波之屋

「春日万燈籠」。見たい・・・

▼本殿近くの摂社・末社です。

風宮(かぜのみや)神社

春日大社_風宮神社

●後殿(うしろどの)各社参拝所

春日大社_後殿参拝所

▼門から中を覗くとこんな感じ。本殿の真後ろにあたる庭(後殿)です。

春日大社_後殿

●椿本神社

春日大社_椿本神社

春日大社の社殿(本殿)は立派な千木(ちぎ。X字形に交差する組木)が特徴的。

春日大社_本殿

神域の原生林も世界文化遺産

春日大社は「古都奈良の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録されています。

また、ご祭神が最初に祀られた御蓋山春日山)は神域とされ、平安時代より狩猟や伐採が禁止されてきました。

そのため現在まで原生林として保たれ、春日山原始林」も世界文化遺産(国の特別天然記念物となっています。

神社によって守られた原生林が世界遺産になっているのは日本らしくていいですね。

若宮十五社めぐり

本殿の参拝を終え、御蓋山側にある摂社・末社へ向かいます。

春日大社_燈籠

若宮十五社すべてにお詣りすると、人が一生のうちに遭遇する困難から守ってもらえるそうです。

●三輪(みわ)神社 

春日大社_若宮十五社

●兵主(ひょうす)神社(左)/南宮(なんぐう)神社(右)

春日大社_若宮十五社

●若宮

春日大社_若宮

若宮には御本社の御子神が祀られています。

●夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)

春日大社_夫婦大国社

春日大社_若宮十五社

●広瀬神社(左)/葛城(かつらぎ)神社(右)

春日大社_若宮十五社

●三十八所(さんじゅうはっしょ)神社

春日大社_若宮十五社

●金龍(きんりゅう)神社

春日大社_若宮十五社

↓ このあたりも春日山原始林なのかな~?

春日大社_若宮十五社

●宗像(むなかた)神社

春日大社_若宮十五社

紀伊神社

春日大社_若宮十五社

若宮十五社めぐりはこれで完了。

時間いっぱいになったので、奈良の旅もここまで・・・また来たいな~

御朱印春日大社

直書きしていただきました。

春日大社_御朱印

 

春日大社の基本情報

・全国に約3000社ある春日神社の総本社
式内社名神大)/二十二社(上七社)/旧官幣大社/勅祭社/別表神社
・ご祭神:武甕槌命経津主命天児屋根命比売神
・創建:768年
文化財:国宝、重要文化財世界文化遺産
奈良県奈良市(JR奈良駅からバス10分程度)

2023(令和5)年5月24日(水)参拝(61歳2か月)