王子稲荷神社は、関東稲荷総司の称号を授かった歴史と由緒のある神社。徳川家斉が寄進した社殿は見事です。
この記事の内容
キツネさまがお出迎え
王子神社から王子稲荷神社へ向かいました。
王子神社の大鳥居前の道路を向かって左へまっすぐ行けば着きます。徒歩4分程度です。(王子駅からは徒歩約10分)
▼稲荷神社と言えば、狐。
狐は稲荷神のお使い。「神使」または「つかわしめ」とも言います。
狐の好物である油揚げを稲荷の神に供物としてささげる風習が起こり、それで油揚げを「イナリ」と呼ぶようになったのだとか。
▼社号票と南鳥居
境内に入りましたが、ここが神社の正面入り口ではないことがわかり、境内を抜けていったん外へ出ました。(←ご苦労さまです)
▼神門
こちらが正面入り口です。
神門の先、左手には神社付属のいなり幼稚園があり、平日にはこの門は閉じられていることが多いらしいです。たまたま土曜日だったので運がよかった。
関東稲荷総司
王子稲荷神社は、平安時代に源氏の武将(源頼義)から「関東稲荷総司」の称号を授かったと伝わる由緒ある神社です。
「総司」という言葉がわかりづらかったのですが、関東一帯の稲荷神社の本部(headquarters)と言ったところでしょうか?
極彩色の社殿
神門の先に石段があり、上ったところに社殿があります。
江戸時代、当社は王子神社とともに徳川将軍家の祈願所と定められ、篤く崇敬されました。
江戸庶民の人気も高く、神社に参拝したあと茶屋でくつろいだり、飛鳥山でお花見をしたりして過ごすことが楽しみの一つになっていたそうです。
極彩色の現社殿は11代将軍・徳川家斉(いえなり)の寄進によるものです。
▼拝殿
お稲荷さんの御利益は?
王子稲荷神社では次の三柱を祀っています。
・宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
・宇気母智之神(うけもちのかみ)
・和久産巣日神(わくむすびのかみ)
「食物」の神さま
「うかのみたまのかみ」の「うか」は、「うけ」「け」と同じ意味で「食物」を表します。
「うか」の「みたまのかみ」なので、稲荷神は食物・稲・農業の神さまです。
日本書紀では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と書きます。こちらは「稲」の文字が入っています。
伊勢神宮の外宮に祀られ、天照大御神の食事をつかさどる豊受大御神(とようけのおおみかみ)にも「うけ」が入っていますね。
商売繁盛にもご利益
時代が進んで商工業が発達していくなかで、江戸時代に入ると商売繁盛にも御利益があるという信仰が広がりました。
現在では、五穀豊穣、商売繁盛に御利益があると信じられています。
王子稲荷神社では、火防守護の御利益もあるとのことです。
京都・伏見稲荷大社の記事もご参照ください。
↓
▼社殿の右奥に鳥居があるので、そちらに向かいます。
鳥居をくぐって右に折れ、参道から振り返ると本殿が見えました。
▼奥には本宮。
古くはここに社殿があったらしいです。
▼本宮右奥には稲荷神社ではおなじみの奉納鳥居。
右の写真は願掛け石が置かれているという建物。
ここで長くお祈りされている方がいらしたので撤退。参拝終了となりました。
御朱印「王子稲荷神社」
御朱印帳に書いていただきました。
●王子稲荷神社の基本情報
・ご祭神:
宇迦之御魂神、宇気母智之神、和久産巣日神
・創建:平安時代以前
・東京都北区
2024(令和6)年1月27日(土)参拝(61歳10か月)