陽明門は金箔や組物、彫刻などで装飾されています。彫刻には霊獣が多いですが、人物像もあります。
(【日光東照宮_1】より続く)
陽明門へ向かいます。
中央が陽明門です。その手前、向かって右に鐘楼、左に鼓楼があります。
鼓楼とは、寺院で時を知らせる太鼓をつるす建物。
神社に鐘楼・鼓楼があるのも神仏習合の名残りです。
東照宮では、古い寺院形式にならい、鐘楼と鼓楼が相対して建てられています。
鐘楼(重文)
鼓楼(重文)
日本でもっとも美しい門
陽明門は2層造りの楼門。高さ約11m、間口約7m、奥行約4m。
▼陽明門の左右にのびる袖塀。東西廻廊につながり、御本社を囲んでいます。
▼門の左右には随身像。
※随身(ずいじん):平安時代以降、貴人の外出時に警衛と威儀を兼ねて勅宣によってつけられた近衛府の官人
▼内側(御本社側)には狛犬
金箔をふんだんに使用
陽明門には大量の金箔が使用されています。
鍍金金具のほか、漆塗の木部にも、一辺10.9cmの正方形の金箔が約24万枚(造営当時と同量)使用されているそうです。
金箔の厚さは薄く、1万分の1mm。
2017年に終了した修理では、石川県金沢市で加工された「金沢箔」がすべてに使用されました。
金沢は、金箔の国内生産の約99%を占めています。
2020年には、伝統的な金箔製造法の「縁付(えんつけ)金箔製造」が「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
※2017年の修理が縁付金箔でなされたかは不明。
500を超える彫刻
陽明門は霊獣など508もの彫刻に彩られています。
一日中見ていても飽きない美しさから「日暮の門」とも呼ばれています。
●龍と息
上層。龍が上下に2つ並んでいるように見えますが、下は「息」という架空の動物らしい。
「息」は鼻が豚に似ていて龍と異なる。
陽明門と拝殿以外ではほとんど見られず、正体は謎なのだとか。読み方も「そく」か「いき」か不明。
●龍馬
写真左右が龍馬。蹄をもつ龍です。
●獅子
初層には獅子が多数。
▼阿吽になっています。
動物だけじゃなかった!
陽明門の彫刻には、古代中国の故事、聖人、仙人、子どもなどを題材とした彫刻もあります。
撮れた範囲で載せます。
周公旦(周時代の政治家)が、賢人を見逃さないために、髪を洗っているときにも人々との面会に応じたという故事を表しています。
▼子どもなど
人物像には一つひとつ意味があり、メッセージが込められています。
まさに、日暮の門。
▼門をくぐって、御本社側から
この後の御本社、奥宮などは次の記事で。
●東照宮の基本情報
・ご祭神:徳川家康公、(相殿)豊臣秀吉公・源頼朝卿
・旧別格官幣社
・創建:1617年
・文化財:国宝、重要文化財/世界文化遺産
・栃木県日光市
2023(令和5)年11月8日(水)参拝(61歳8か月)