中尊寺は世界遺産・平泉の中心的な寺院です。奥州藤原氏初代・清衡(きよひら)公が建立しました。
この記事の内容
境内は東西に長い
中尊寺の境内は東西方向に長く延び、参道に沿ってお堂が点在しています。
御朱印をいただけるお堂がたくさんあります。
仏国土の建設を願う
敵味方の区別なく供養
▼本坊表門に着きました。
開山は慈覚大師円仁(えんにん)と伝わります(850年)。円仁は日本天台宗の開祖・最澄に師事し、のち第三代天台座主となった人物です。
12世紀初めには、奥州の支配者となった奥州藤原氏初代・清衡公が大伽藍を造営。
前九年・後三年の合戦で亡くなった人々を敵味方の区別なく供養し、みちのくの地に仏国土を建設するためでした。
繁栄、荒廃、復興、そして世界遺産に
平泉は100年近くにわたり繁栄しますが、源頼朝により奥州藤原氏は滅ぼされます。
中尊寺は頼朝の庇護を受けるものの次第に荒廃し、1337年(南北朝時代) には大きな火災により金色堂を除く堂宇がほぼ全焼。
江戸時代には仙台藩領となり、手厚い保護を受けました。山内に点在する堂宇の多くはこの時代に建てられたものです。
現在、中尊寺は、世界文化遺産「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」の構成資産の一つとして登録されています(2011年6月登録)。
本堂は 明治42(1909)年に再建されたものです。
▼お堂に上がってお参りできます。
中尊寺では「撮影禁止」と明示されているところ以外は、仏像も含めて撮影OKとのこと。
ご本尊の両脇にある灯籠には、最澄が1200年前に灯した「不滅の法灯」が護持されているそうです。
▼本堂右奥にある光勝院。
▼本坊を出て、さらに奥へ進みます。
感動ものの「金銀字一切経」
讃衡蔵(さんこうぞう)は、奥州藤原氏の残した文化財3000点あまりを収蔵する宝物館です。
▼讃衡蔵
平安期の諸仏、国宝の中尊寺経、奥州藤原氏の御遺体の副葬品などが納められています。
これは感動もの。
紺色の紙に金字と銀字で1行ごとに経文が書かれています。
この「金銀字一切経」は国内では唯一のものとのことです。金字のみの「金字一切経」もありました。
なお、讃衡蔵・金色堂・経蔵・旧覆堂の拝観には拝観券の購入が必要です(大人800円)。(本堂などは無料で拝観可能)
▼この後、金色堂へ向かいました。
金色堂についてはこちらの記事をご参照ください。
↓
御朱印「梵字(バク)」
本堂でいただいた直書きの御朱印です。
●中尊寺の基本情報
・天台宗 東北大本山
・山号:関山(かんざん)
・御本尊:釈迦如来
・創建:850年
・開山:慈覚大師円仁
・文化財:国宝、重要文化財/世界文化遺産
・岩手県西磐井郡平泉町
2023(令和5)年10月17日(火)参拝(61歳7か月)