成田山川越別院はその名が示す通り成田山新勝寺(しんしょうじ)の別院です。真言宗の寺院で、ご本尊は不動明王(ふどうみょうおう)です。
この記事の内容
御朱印収集家にうれしい立地
成田山川越別院は、川越大師 喜多院(きたいん)のすぐ北隣にあります。南側には隣接して仙波(せんば)東照宮があり、移動の手間をかけずに3か所参拝できます。
御朱印を集めている方にはうれしいロケーションですね。
開放感のある境内
山門をくぐると境内が広がります。
境内に入ってすぐ右側には真言宗の開祖・弘法大師(こうぼうだいし)空海を祀る「大師堂」があります。
今年は空海生誕1250年です。いろいろイベントがあるのでしょうね。
続いてお稲荷さん。赤が目立ちます。
先へ進むと本堂に向かって右側に鐘楼堂があります。瓦の白い塗装(?)が特徴的。
本堂へ向かいます。
不動明王って、仏さま?
お寺巡り初心者の疑問
ところで、不動明王は仏さまなのでしょうか? 仏さまって、お釈迦さまのことじゃなかったの? 「〇〇如来」や「△△菩薩」は仏さまらしいけど・・・
ということで、調べてみました。
仏さまにもランクがあった!
仏さまは大きく4つのランクに分かれます。
頂点に「如来」がいて、以下、「菩薩」「明王」「天(天部)」の序列になっています。如来が一番偉いんですね。
ランク1:如来
釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来など・・・すでに悟りを開いている。
ランク2: 菩薩
観音菩薩(観音さま)、地蔵菩薩(お地蔵さん)、文殊菩薩(「3人寄れば文殊の知恵」)など・・・如来(悟りを開くこと)をめざして修行中。
ランク3: 明王
不動明王、烏枢沙摩(うすさま)明王(トイレの神様)など・・・悪魔や人の煩悩を降伏させる。
ランク4:天(天部)
帝釈天、弁財天、大黒天、毘沙門天、金剛力士(仁王)など・・・仏教界の守護者。
不動明王は、仏さまの第3ランクに位置づけられる明王の代表的存在なんですね。
第3ランクの仏さまだけど・・・
密教(真言宗)では、大日如来が教主であり、すべての仏菩薩の本地と考えます。仏教界のトップ中のトップの存在ということですね。
なので、不動明王のことを「第3ランク」と格下に見てはいけないのです。
怖い顔をしているのはなぜ?
如来や菩薩がやさしいお顔をしているの対して、不動明王は怖い顔をしています。
片目または両目を見開き、牙を出しています(右と左の牙の向きが逆なんですね)。こういうのを忿怒(ふんぬ)の相と呼ぶらしいです。
右手には剣、左手には羂索 (けんさく)と呼ばれる縄を持ち、大きな火炎を背負っています。
では、なぜ、このような恐ろしい姿かたちをしているのでしょうか?(上の写真はあまり怖くありませんが)
人間にはいろいろな人がいて、仏の教えに従わない人もいる。そこで、大日如来はそのような人たちを教化するために恐ろしい形相になって現れ、叱りつけてでも人々を救おうとする・・・
おおよそこんなところでしょうか。
「強面の不動明王は、大日如来の慈悲深さの顕れ」と理解すればよいのかもしれませんね。
御朱印
直書きしていただきました。
●成田山川越別院の基本情報
・成田山川越別院本行院
・宗派:真言宗
・御本尊:不動明王
・創建:1853年
・埼玉県川越市
2023(令和5)年2月5日(日)参拝(60歳11か月)