京都有数の観光地・嵐山にある天龍寺は、京都五山1位に列せられる名刹。嵐山と一体になった曹源池庭園(そうげんちていえん)が特にすばらしい。
この記事の内容
嵐山駅のすぐそこ
嵐電の終点・嵐山駅で降り、駅前の通りを右へ進むとほどなく着きました。
ダルマさんって、実は偉い人だった
受付から中に入ると「達磨図」が置いてあります。
何も知らない私は「なんで、達磨?」と思ったのですが・・・
達磨大師はインドの人で、6世紀初めに中国にわたり、少林寺拳法発祥の地として有名な少林寺で座禅を組み続け、悟りを開きました。
「面壁九年(めんぺきくねん)」といって、壁に向かって一言もしゃべらず9年間座禅を組み続けたとされる驚異的な人物です。
人形のダルマさんは愛嬌たっぷりですが、こちらの絵では、ギョロっとした大きな目が威圧的にも見えますね。(鼻も口も超デカい)
庭園美と禅寺の雰囲気を堪能
嵐山を取り込んだ庭園美に心洗われる
お目当ての庭が現れました。
ネットで画像を見て一目惚れした曹源池庭園です。
実に雰囲気がいいです。それと何より背後の嵐山・亀山との一体感がすばらしい。
このタイプの庭園を池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)って言うんですね。
日本庭園ではよく見られるタイプですが、何と言っても曹源池庭園の良さは山を借景に作庭されているところでしょうね。山が庭園の一部になっている。
アメリカの専門誌の日本庭園ランキングで20年連続1位の足立美術館も、背後の山が効いてますよね。(行ったことはありませんが)
内部拝観をおすすめします
部屋の中からの風景も絵になります。
「和」です! これぞジャパン!!
畳と障子。落ち着きます。
天龍寺の拝観は、庭園、諸堂、法堂(「雲龍図」特別公開)の3つに分かれていて、それぞれに拝観料が設定されています。
庭園だけを鑑賞することもできますが、内部拝観(諸堂)したほうがよさを味わえると思います。
京都五山とは?
五山とは?
「京都五山」と「鎌倉五山」があり、五山の上に南禅寺が別格上位として置かれています。京都五山の順位は以下です。
●京都五山
別格上位:南禅寺 1位:天龍寺 2位:相国寺 3位:建仁寺 4位:東福寺 5位:万寿寺
いろいろ変遷があったのですが、現在の順位は室町幕府3代将軍の足利義満(よしみつ)が定めたものとのこと。
ここで疑問が・・・
ところで、京都・鎌倉で各5つの寺院を選んでおきながら、なぜ、その上にもう1つ置くという変則な形にしたのでしょうか? 南禅寺が京都五山と鎌倉五山を統括するとか、そんな風にはなっていないはずですが・・・
このあたりの経緯について、調べてみました。Wikipediaの記述をまとめるとおおよそ次のようになります。
「義満は足利将軍家の菩提寺として創建した相国寺(しょうこくじ)を五山に入れることを望み、五山制度を改めて南禅寺を五山之上に位置付けた。」
南禅寺を上に押し上げて相国寺を京都五山2位とし、ほかの四山をそのまま残して丸くおさめた、ということなんでしょうか(個人の見解ですが)。つまり、政治が絡んでいた・・・。
もちろん、このことが天龍寺の価値に何らの影響を与えるものではありません。念のため。
嵐山観光の定番スポットへ
竹林の小径
天龍寺を北口から出て「竹林の小径」へ向かいます。
なかなかの背丈です。ぷらぷら歩いて三叉路のところで引き返しました。満足。
渡月橋
嵐山と言えば、渡月橋(とげつきょう)が有名ですね。
「渡月橋」・・・名前が素敵。
テレビなどでよく見る渡月橋&嵐山の風景をこの目で見たい。
というわけで嵐山駅まで戻り、さらに少し歩くと着きました。駅からは近い。
お目当ての撮影スポットをさがします。とりあえず左へ曲がってみました。
「おー、ココだよ、ココ!」
どうやら当たったよう。風情ありますね~。
このあと橋を往復。ただ歩いただけですが、達成感アリアリの渡月橋でした。
御朱印
中央の文字は「覚王寶殿」。
禅寺の七堂伽藍の中心になる仏殿のことをいうそうです。
●天龍寺の基本情報
・臨済宗天龍寺派大本山
・山号:霊亀山
・御本尊:釈迦如来坐像
・創建:1339年。足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建
・開山:夢窓疎石
・文化財:国指定重要文化財/世界文化遺産
・京都市右京区
2022(令和4)年10月9日(日)参拝(60歳7か月)