英勝寺は徳川家ゆかりの寺院です。重要文化財に指定されている伽藍があるらしいので、行ってみることにしました。
この記事の内容
亀が引き返した坂道を抜ける
長寿寺から英勝寺へは亀ヶ谷坂(かめがやつざか)を抜けていきます。
亀ヶ谷坂は、昔、建長寺にいた亀が坂を上ろうとして急なため引き返し(ひっくり返り)、「亀返坂」から「亀ヶ谷坂」と呼ばれるようになったという言い伝えがあります。(実際、そんな急坂ではありません)
▼途中、岩肌がむき出しになった箇所があります。
鎌倉は三方を山に囲まれ、防御にはうってつけの地形である一方、交通の便が悪かったため山の稜線を切り開いて道がつくられました。
これを切通(きりどおし)と呼び、そのうち主なものを「鎌倉七切通」または「鎌倉七口」と呼びます。
亀ヶ谷坂は鎌倉七切通しの一つで、国の史跡に指定されています。
岩船地蔵堂
岩船地蔵堂には、源頼朝と北条政子の最初の子である大姫の守り本尊である地蔵尊が祀られているとのことです(諸説あり、真相は不明)。
徳川家ゆかりの寺院
岩船地蔵堂から徒歩5分ほどで英勝寺に着きます。(長寿寺からは徒歩約13分)
お寺の入り口っぽくありませんが、通用門が入り口になっています。
▼太田家の家紋「桔梗紋」
家康の側室・お勝の方が創建
英勝寺を創建したのは太田道灌の子孫で、徳川家康の側室であったお勝の方(英勝院)です。
太田道灌は江戸城を築いた人ですね。お勝の方は家康の死後、出家し、英勝院と称しました。
英勝院は徳川家光から扇ガ谷の太田道灌の屋敷跡の地を賜り、英勝寺を開きました。鎌倉唯一の尼寺とのことです。
江戸前期の建築物が残る
英勝寺には仏殿、山門、鐘楼など江戸時代前期の建築がほぼそのまま残っており、国の重要文化財に指定されています。
▼境内に入ると最初に見えてくるのが仏殿です。
最初違和感を覚えたのは仏殿の背面が見えていたからです。
▼回り込んで正面から見た仏殿がこちら。
窓を自分で開けて、窓越しにお参りします。
▼仏殿の天井
派手めの絵が描かれています。徳川のお寺らしい(?)
▼禅宗建築などでよく見る花頭窓
▼振り返ると山門があります。こちらも背面。
▼正面側
▼山門の屋根瓦に「三つ葉葵の御紋」が見えます。
▼こちらも重要文化財の鐘楼
これにて、2度目の鎌倉巡礼は終了です。
御朱印「南無阿弥陀佛」
直書きです。
●英勝寺の基本情報
・浄土宗
・山号:東光山
・御本尊:阿弥陀三尊像
・創建:1636年
・開基:英勝院尼
・文化財:重要文化財
・神奈川県鎌倉市
2022(令和4)年11月25日(金)参拝(60歳8か月)