富山県高岡市にある瑞龍寺(ずいりゅうじ)は曹洞宗の禅寺。3棟が国宝、7棟が重要文化財に指定されています。烏瑟沙摩(うすさま)明王などの特徴ある御朱印をいただけます。
この記事の内容
前田利長公の菩提寺
高岡大仏から瑞龍寺へ向かいました。
瑞龍寺は加賀藩第2代藩主・前田利長(としなが)の菩提を弔うために3代藩主・前田利常により建立されました。
▼八丁道(はっちょうみち)と呼ばれる参道に前田利長公の像があります。
とんがり帽子のような兜は「銀鯰尾兜(ぎんなまずおかぶと)」と呼ばれるもので、利長が実際にかぶっていたものは長さ127センチもあったと伝わっています。
高岡の開祖「利長くん」
前田利長は安土桃山~江戸初期の武将・大名。加賀前田家の祖・利家の長子。加賀藩第2代藩主。
関ヶ原の戦いで徳川家康側について戦功を上げ、加賀・能登・越中の大半を領有。
隠居後、幕府の許可を得て、あらたに関野に城を築き、その地を高岡と改名し入城(高岡城)。高岡の開祖と呼ばれています。
53歳で高岡で亡くなりました。
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国宝・重要文化財の伽藍
総門に着きました(高岡駅からは徒歩約10分)。
▼梅をあしらった家紋が見えます。
前田利家は菅原道真の子孫と称し、道真ゆかりの「梅鉢紋(うめばちもん)」を用いたとされています。
●京都・北野天満宮の記事はこちらです(梅の神紋がかわいい)。
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▼総門の前に案内板があり、次のような絵がありました。
境内を人体に見立てて伽藍配置を表したということでしょうか。
瑞龍寺を建てた名匠・山上善右衛門の印可の秘伝書にこの絵があるとのこと。
▼伽藍配置図と並べてみました。
瑞龍寺は、鎌倉時代に中国から伝わった寺院建築を模して建立されており、総門、山門、仏殿、法堂が一直線上に並んでいます。
左右には禅堂と大庫裏があり、回廊で結ばれた伽藍は江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されています。
山門・仏殿・法堂が国宝、総門・禅堂・大庫裏・回廊(三棟)・大茶堂は重要文化財の指定を受けています。
つまり、瑞龍寺の建物はほとんどすべて国宝か重要文化財ということになります。
※浴室と東司(とうす・トイレ)は現在はありません。
▼総門をくぐると正面に山門が見えます。
屋根は杮葺き(こけらぶき)。瓦葺のようないかつい感じがありません。
二階建ての門(二重門)は、下層の屋根を上層の屋根より大きくつくるのが多いのですが、瑞龍寺の山門では同じくらいの大きさにつくられています。
これは、上層の屋根に降り積もった雪が下層の屋根に落ちることを防ぐためとのことです。
▼山門ではありませんが、冬の瑞龍寺。(2019年正月)
高岡市は雪国なのです。
▼山門をくぐると正面に仏殿。
▼右側は北回廊。その手前が大庫裏、その先が鐘楼、奥が大茶堂。いずれも重文です。
回廊は白壁と柱、障子戸が規則正しく並び、美しい。
あと、杮葺きの屋根がきれい。木と調和してすごくいい感じです。
今まで、杮葺きはあまり見る機会がありませんでしたが(金閣寺くらい?)、檜皮葺と同じくらい趣きがありました。
芝の緑もめちゃめちゃきれいだった~
▼左側には禅堂。
仏殿へ向かいます。
こちらは鉛瓦葺き。鉛瓦葺きはここ以外では金沢城石川門にあるだけだそうです。
ご本尊は釈迦如来。お堂の中に入って拝めます。
中央に須弥壇があり、脇から後ろへ抜けられるようになっています。
▼仏殿の出口から撮影した法堂。
法堂は中に上がれるようになっています。お寺の参拝はこれが楽しみ。
写真を撮ってもよいとのこと。
トイレの神様を祀る
仏像も一定の距離を保てば撮影OKとのこと。
烏瑟沙摩(うすさま)明王像が安置されています。
本来、東司に祀られていましたが、250年前にを東司を焼失したため、現在は法堂に祀られています。
現存する烏瑟沙摩明王像としては日本最古!で最大級とのこと(像高170センチ)。
いっさいの不浄や悪を焼きつくして浄化し、病気平癒や子宝・安産の法力があるとのことです。
▼東司があった近くの南東回廊の角にレプリカがあります。
当初はこのような極彩色だったらしい。
左手で左足を持つポーズが面白い。(右下の動物(?)が何であるかはわかりませんでした)
法堂を後にして、回廊(南側)を歩きます。
▼禅堂の前に来ました。
▼外には鬼瓦が展示されていました。
御朱印
ほかではあまり見られないような御朱印があり、たくさんいただきました。
ご本尊「釈迦如来」
直書き。
烏瑟沙摩明王(通常)
直書き。
烏瑟沙摩明王(限定彩色ご朱印)
こちらは書置きのみ。法衣は金ピカに光ってます。
韋駄天尊
直書き。
韋駄天像は北回廊の大庫裏に祀られていますが、南側の回廊を通って戻ったので、拝み損ねました。
●瑞龍寺の基本情報
・曹洞宗
・山号:高岡山
・御本尊:釈迦如来
・創建:1614年
・開基:前田利常
・文化財:国宝、重要文化財
・富山県高岡市
2023(令和5)年9月16日(土)参拝(61歳6か月)