さいたま市中央区(旧・与野市)には「与野七福神」があり、お正月になると七福神巡りを楽しんでいる人を見かけます。一山神社(いっさんじんじゃ)では恵比寿さまがお祀りされています。参拝したのは2月ですが、御朱印をいただけました。
えびす信仰とは?
恵比寿さまは漁業の神さまで、特に商売繁昌の神さまとして信仰されていますね。七福神のなかでは唯一の日本の神さまです。
「恵比寿」は「蛭子」(漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)など)と書くこともありますが、ふつうに読むと「ひるこ」ですよね~。どうしてこれを「えびす」と呼ぶのでしょうか?
記紀神話によると、伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が生んだ子(神)が3歳になっても立つことができなかったので、船に乗せて流してしまわれた。その子について「水蛭子(ひるこ)」の記載があるという。
流れ着いたところの浜辺の人々がそのお子神を祀ったのがえびす信仰の始まりとされている。
日本の沿岸地域では、流れ着いたものをえびす神として信仰するところが多く、流された「蛭子神」と「恵比寿」を同一視する説があるとのこと・・・
ざっとこんなところですが、「えびす」と「ひるこ」が結びつきましたね。
薄暗いほうが神社っぽい?
ところで一山神社ですが、こじんまりした神社です。
境内にはイチョウの御神木やクスノキの大木があり、陽の光をさえぎっていてやや薄暗い感じがします。
こういうほうが神社っぽい感じがして、身の引き締まる思いがしました。(個人の感想ですが・・・)
阿吽(あうん)の狛犬
拝殿の前に狛犬(こまいぬ)が置いてあります。ごつごつした粗削りな台座がこの神社の雰囲気にマッチしていていい感じです。
狛犬は左右一対で置かれていて、向かって右側は「阿形」(あぎょう)といって口を開いています。左側は「吽形」(うんぎょう)といって口を閉じていますね。
「阿吽」はもともと古代インドのサンスクリット語のアルファベットから来ています。
「阿」は最初の文字で口を開いて発音。
「吽」は最後の文字で口を閉じて発音。
ここから「阿吽」は「始めと終わり」の意味になり、仏教では「悟りを求める心と、その結果としての涅槃(ねはん)」と考えるようになったとのことです。
※涅槃:いっさいの迷いや煩悩から解放されて到達する安らぎの境地
お寺の山門で見かける仁王さまも左右一対、「阿吽」になっていますね。
日本は神仏習合なので、神前に置かれる狛犬も「阿吽」になったのでしょうか?
神さまが、生まれてから死ぬまでを私たちを守ってくださるということなのでしょう・・・きっと。
御朱印「恵比寿神」
書き置きの御朱印をいただきました(300円)。
社務所の呼び鈴を鳴らして対応していただきました。
●一山神社の基本情報
・与野七福神(恵比寿神)
・ご祭神:
少彦名命(すくなひこなのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)
・創建:江戸時代末期
・埼玉県さいたま市
2023(令和5)年2月12日(日)参拝(60歳11か月)