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神社仏閣めぐり初心者が始めた「なるほど」参拝紀行

【鎌倉・杉本寺】茅葺の 屋根に苔むす 古刹かな|60歳からの御朱印めぐり〔012/541〕

鎌倉で4か所目の参拝地は杉本寺。金沢街道に面して入り口があります。

杉本寺_石段

歩道から撮影

この記事の内容

鎌倉らしい(?)立地

金沢街道(県道204号線)のこのあたり(他の場所は知らない)はそれほど道幅が広いわけではありませんが、それなりに交通量があります。

その歩道からいきなり石段を上っていくようになっています。

これも平地の少ない鎌倉らしいと言えば、らしいのでしょうか。

▼石段を上ると門が見えてきます。

杉本寺_石段

▼仁王門でした。

杉本寺_仁王像

↑ 運慶作の仁王像 ↓ あんまり怖くない

杉本寺_仁王像

鎌倉最古の寺院

杉本寺は鎌倉でいちばん古いお寺です。

創建は奈良時代(734年)。聖武天皇の后である光明皇后の御願により、藤原房前(ふささき)、僧の行基(ぎょうき)によって建立されたとのこと。

藤原房前藤原氏繁栄の基礎を築いた藤原不比等(ふひと)息子で、藤原北家の祖。北家の家系に藤原道長がいる。光明皇后はおなじく不比等の娘。

場所は鎌倉でも、創建が奈良時代になると藤原氏が関係したりするんですね~

杉本寺_苔の石段

苔に覆われた石段

石段の先に本堂がありますが、通れなくなっていて、本堂へは左にある石段を上ります。

坂東・鎌倉三十三観音霊場第一番札所

杉本寺_本堂

茅葺屋根の本堂

杉本寺のご本尊は十一面観音。

行基が自ら刻んだ十一面観音像のほか、2体の十一面観音像は秘仏になっています。

拝めるのは御前立と呼ばれる仏像で、源頼朝が寄進したとされる十一面観音像です。

杉本寺は、坂東・鎌倉三十三観音霊場の第一番札所になっています。

ほかにも数体の仏像が安置されていて、興味津々で拝ませていただきました~

杉本寺_本堂

なんで顔が十一もあるの?

十一面観音は頭上に十一の小面をつけた観音

顔が十一面あるのは、観音さまの救済の働きが多面的であることを表しているそうです。

本面を加えて十一面とするものと、本面以外に十一面あるものがあり、小面も一様ではなく、菩薩面、忿怒面、笑面などがあるらしい。(←機会があればじっくり鑑賞してみたいですね)

また、二臂、四臂、八臂!(臂=腕)などの形があるとのことです。 ひぇ~

杉本寺_本堂

茅葺はユネスコ無形文化遺産

茅葺とは?

本堂と仁王門の屋根は茅葺(かやぶき)です。

茅葺とは、「茅で屋根を葺くこと。また、その屋根」。

つまり、茅葺≒茅葺屋根

茅とは「ススキやチガヤ、ヨシ(アシ)などの総称」・・・ススキ以外は見たことない (-_-;)

現存する集落としては、白川郷五箇山の合掌造り(世界文化遺産)や大内宿などが有名。

杉本寺_仁王門

苔むす茅葺屋根 仁王門を境内側から撮影

日本の匠

茅葺は2020年、「伝統建築工匠(こうしょう)の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。  パチパチパチパチ

茅葺のほかには

・茅採取
・檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)、檜皮採取
・屋根瓦葺(本瓦葺)
・建造物装飾、建造物彩色、建造物漆塗、建造物修理
左官(日本壁)
・縁付金箔製造(←厚さ1万分の1ミリ!の金箔を製造!! あんびりーばぼー)
 などが登録されています。

神社仏閣を見て回って少なからず感動を覚えるのは、こうした日本の匠の技のおかげですね~~感謝!

杉本寺_仁王門

で、杉本寺のHPに次の記載があります。

「昔は20年もつといわれていた茅葺も、近年の温暖化など気候の変化により、今では10年もつかもたないかというのが現状です。」

杉本寺では仁王門、本堂茅葺屋根を守り伝えていくための募金(一口2,000円)を受け付けているようです。

また行く機会があったら納めようかな~

杉本寺_大蔵弁財天堂

大蔵弁財天堂

杉本寺_権現堂

権現堂

御朱印「十一面大悲殿」

「鎌倉観世音第一番」のほうをいただきました(坂東第一番のものもあり)。

直書きです。

 

杉本寺_御朱印

 

●杉本寺の基本情報

天台宗
山号:大蔵山
・ご本尊:十一面観音
・開山:行基
・創建:734年
・神奈川県鎌倉市

2022(令和4)年11月17日(木)参拝(60歳8か月)