鎌倉で4か所目の参拝地は杉本寺。金沢街道に面して入り口があります。
この記事の内容
鎌倉らしい(?)立地
金沢街道(県道204号線)のこのあたり(他の場所は知らない)はそれほど道幅が広いわけではありませんが、それなりに交通量があります。
その歩道からいきなり石段を上っていくようになっています。
これも平地の少ない鎌倉らしいと言えば、らしいのでしょうか。
▼石段を上ると門が見えてきます。
▼仁王門でした。
鎌倉最古の寺院
杉本寺は鎌倉でいちばん古いお寺です。
創建は奈良時代(734年)。聖武天皇の后である光明皇后の御願により、藤原房前(ふささき)、僧の行基(ぎょうき)によって建立されたとのこと。
藤原房前:藤原氏繁栄の基礎を築いた藤原不比等(ふひと)息子で、藤原北家の祖。北家の家系に藤原道長がいる。光明皇后はおなじく不比等の娘。
場所は鎌倉でも、創建が奈良時代になると藤原氏が関係したりするんですね~
石段の先に本堂がありますが、通れなくなっていて、本堂へは左にある石段を上ります。
坂東・鎌倉三十三観音霊場第一番札所
杉本寺のご本尊は十一面観音。
行基が自ら刻んだ十一面観音像のほか、2体の十一面観音像は秘仏になっています。
拝めるのは御前立と呼ばれる仏像で、源頼朝が寄進したとされる十一面観音像です。
杉本寺は、坂東・鎌倉三十三観音霊場の第一番札所になっています。
ほかにも数体の仏像が安置されていて、興味津々で拝ませていただきました~
なんで顔が十一もあるの?
十一面観音は頭上に十一の小面をつけた観音。
顔が十一面あるのは、観音さまの救済の働きが多面的であることを表しているそうです。
本面を加えて十一面とするものと、本面以外に十一面あるものがあり、小面も一様ではなく、菩薩面、忿怒面、笑面などがあるらしい。(←機会があればじっくり鑑賞してみたいですね)
また、二臂、四臂、八臂!(臂=腕)などの形があるとのことです。 ひぇ~
茅葺はユネスコ無形文化遺産
茅葺とは?
本堂と仁王門の屋根は茅葺(かやぶき)です。
茅葺とは、「茅で屋根を葺くこと。また、その屋根」。
つまり、茅葺≒茅葺屋根
茅とは「ススキやチガヤ、ヨシ(アシ)などの総称」・・・ススキ以外は見たことない (-_-;)
現存する集落としては、白川郷・五箇山の合掌造り(世界文化遺産)や大内宿などが有名。
日本の匠
茅葺は2020年、「伝統建築工匠(こうしょう)の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。 パチパチパチパチ
茅葺のほかには
・茅採取
・檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)、檜皮採取
・屋根瓦葺(本瓦葺)
・建造物装飾、建造物彩色、建造物漆塗、建造物修理
・左官(日本壁)
・縁付金箔製造(←厚さ1万分の1ミリ!の金箔を製造!! あんびりーばぼー)
などが登録されています。
神社仏閣を見て回って少なからず感動を覚えるのは、こうした日本の匠の技のおかげですね~~感謝!
で、杉本寺のHPに次の記載があります。
「昔は20年もつといわれていた茅葺も、近年の温暖化など気候の変化により、今では10年もつかもたないかというのが現状です。」
杉本寺では仁王門、本堂茅葺屋根を守り伝えていくための募金(一口2,000円)を受け付けているようです。
また行く機会があったら納めようかな~
御朱印「十一面大悲殿」
「鎌倉観世音第一番」のほうをいただきました(坂東第一番のものもあり)。
直書きです。
●杉本寺の基本情報
・天台宗
・山号:大蔵山
・ご本尊:十一面観音
・開山:行基
・創建:734年
・神奈川県鎌倉市
2022(令和4)年11月17日(木)参拝(60歳8か月)