541こ・む

神社仏閣めぐり初心者が始めた「なるほど」参拝紀行

【京都・建仁寺】禅寺で 風神雷神 龍神図|60歳からの御朱印めぐり〔006/541〕

建仁寺_双龍図

建仁寺臨済宗建仁寺派禅宗寺院。堂内に展示された俵屋宗達の「風神雷神図屏風」や、法堂(はっとう)天井画の「双龍図」は感動もののすばらしさでした。

この記事の内容

「コワかわいい(?)」風神・雷神

建仁寺で「風神雷神図屏風」を見られると知り、ワクワクしながら向かいました。「風神雷神図屏風」は教科書で見て強く印象に残っていた金色の屏風絵です。

拝観受付を済ませて中に入ると、入り口近くの部屋で早々にご対面です。

建仁寺_風神雷神図屏風

右:風神 左:雷神

風神雷神図屏風」は江戸初期の画家・俵屋宗達(たわらやそうたつ)の最高傑作。

国宝に指定されています。
建仁寺で通常見られるのは高精細デジタル複製。本物は京都国立博物館に寄託されている

屏風全面に金箔が押され、左右にはおどろおどろしい風神雷神が対峙しているような構図です。

単純に言って、金地に描かれているのがいいです。金はきれい。

風神・雷神は怖いようで親しみを持てるような、最近の言葉でいうと「コワかわいい(?)」姿。屏風の左右に離して描かれ、大きな余白が天空の広がりを感じさせます。

雷神

私の推しは雷神です。

左の手足を前に突き出し、右の手足を後ろに引いたポーズがかっこいい!

建仁寺_雷神

雷神は雷を起こす。鬼に似た姿で連鼓を負う

衣をなびかせているのもイケてます。

これは、左からの強い風を感じさせます(←解説記事を読んで気づきました)が、風神が起こした風に左足を突っ張って耐えているのでしょうか。

思い切り引いた右足。股関節がめちゃくちゃ柔らかそう。

風神

股関節と言えば、風神の左足、かかとを跳ね上げた恰好がお茶目。

建仁寺_風神

風神は風をつかさどる。風袋を担ぎ、天空を駆ける

とは言え、ギョロっとした目、むき出した歯、緑色の肌はちょっと怖い。

オールバックの髪が逆立っているのは自分が起こした風(?)にあおられているのでしょうか。 

ちなみに、宗達は、元来赤で描かれる雷神の色を白に、青い体の風神を緑に変えて描いたとのことです。(Wikipediaによる)

ド迫力の「双龍図」

108畳分の巨大な龍神

法堂に移動すると、天井に巨大な2匹の龍が現れました。

建仁寺_双龍図

「双龍図」。天井いっぱいに描かれる

大きさは畳108畳分・・・つまり、6畳間18部屋分! デカすぎです。

日本画家の故・小泉淳作画伯が2年の歳月をかけて製作。建仁寺の創建800年(2002年)を記念して描かれたそうです。

小泉画伯は「双龍図」のほかに、鎌倉・建長寺法堂の天井画「雲龍図」や、東大寺の襖絵40面なども手掛けられたそうです。

建仁寺_双龍図

圧倒的な迫力

双龍も阿吽(あうん)で描かれるんですね。

建仁寺_双龍図

クリっとした目がユーモラス

「双龍図」の下にはご本尊の釈迦如来坐像と脇侍が祀られているのですが、そっちのけで見入ってしまいました~(合掌)

建仁寺_法堂

法堂。こちらの天井に「双龍図」がある

仏法の雨を降らせる龍神

天井に描かれた龍を見るのはこのときが初めてだったのですが、その後、私が見た範囲では京都の相国寺、鎌倉の建長寺円覚寺にも龍図が天井に描かれています。

では、なぜ、龍図が仏教寺院の天井に描かれるのでしょうか?

そもそも龍は想像上の動物。

ふだんは水中や地中に潜み、ひとたび姿を現すと雲を起こして雨や雷を呼び、竜巻となって自在に飛翔します。

水をつかさどり、航海や雨乞いの守護神と考えられ、「龍神」と呼ばれます。

仏教において龍神」は、法の雨(仏教の教え)を降らせると考えることから、法を説く場である法堂の天井に描かれる、ということのようです。

龍(神)についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、ご参照ください。↓

pirooh.hatenablog.com

2種類の庭園を楽しめる

建仁寺には枯山水庭園と、苔の美しい2種類の庭園があり、腰を掛けてゆっくり鑑賞できます。

方丈庭園「大雄苑」

建仁寺_方丈

右の建物は方丈。みなさん座ってくつろいでいます

建仁寺_方丈庭園「大雄苑」

左奥に見えるのは法堂

建仁寺_方丈庭園「大雄苑」

潮音庭(ちょうおんてい)

建仁寺_潮音庭

建仁寺_潮音庭

苔の緑がきれい。中央の石は「三尊石」というのだそう

建仁寺_潮音庭

紅葉の季節はもみじがきれいそう

京都最古の禅寺

臨済宗を伝えた栄西が開山

建仁寺の開山は栄西(えいさい・ようさい)禅師。臨済宗を日本に伝えた人物です。

栄西は中国・宋で臨済禅を学び、帰国後、布教を始めますが、延暦寺などから排斥されました。

博多に日本最初の禅道場となる聖福寺(しょうふくじ)を建立するも、京都での布教に限界を感じ、鎌倉に迎えられます。 

59歳のとき寿福寺(じゅふくじ)を開山(開基は北条政子)。

その後、鎌倉幕府第2代将軍源頼家の庇護を受け建仁寺を開山宿願の京都進出を果たしました。

建仁寺は京都でもっとも長い歴史を有する禅寺です。

栄西は宋からお茶の種を持ち帰り、栽培と喫茶を勧め、「茶の祖」でもあります。

禅が日本文化に与えた影響を思うと、栄西の貢献は大きいと言えそうですね。

建仁寺_開山堂

開山堂。栄西禅師がお眠りになられていると伝わる

京都五山3位の名刹

建仁寺京都五山の第3位に列せられています。

五山とは禅宗臨済宗)の寺院を格付けした制度で、京都五山鎌倉五山があり、南禅寺(京都)が別格上位に位置づけられています。

順位は以下です。↓

別格上位:南禅寺 

京都五山
1位:天龍寺 2位:相国寺 3位:建仁寺 4位:東福寺 5位:万寿寺

由緒ある寺院ですが、堂内にはコインロッカーが設置されていて、参拝者への配慮が感じられます。

写真も比較的自由に撮らせてくれます。オープンでフレンドリーな感じが好感を持てました。

文化財も豊富でおススメのお寺です!

海北友松(かいほうゆうしょう)筆の襖絵

建仁寺_雲龍図

雲龍図(重要文化財

建仁寺_竹林七賢図

↑ 竹林七賢図(重要文化財) ↓

建仁寺_竹林七賢図

御朱印

風神・雷神の御朱印帳を購入

一昨日、平等院御朱印帳を買ったばかりなのですが、風神雷神御朱印帳とあっては買わないわけにはいきません。

建仁寺_御朱印帳

12×18cm。ケース付き

御朱印、集めるゾ!

御朱印

直書きです。法堂の名称「拈華堂(ねんげどう)」と書いていただきました。

建仁寺_御朱印

 

建仁寺の基本情報

臨済宗建仁寺派 大本山
山号:東山(とうざん)
・御本尊:釈迦如来
・創建:1202年
文化財:国宝・国指定重要文化財
京都市東山区

2022(令和4)年10月10日(月)参拝(60歳7か月)