龍安寺は枯山水の庭園「石庭」が有名な禅宗寺院。世界遺産に登録されています。
静寂な禅寺とはミスマッチ(?)な豪快な御朱印をいただきました。
この記事の内容
龍安寺駅から総門へ
嵐電(京福電鉄)の北野白梅駅から龍安寺駅へ行き、徒歩で向かいました。
Googleマップでは、「きぬかけの路」に出てから西へ進んで山門をめざすルートを案内していましたが、町の標識に従って進むと、総門にたどり着きました。
石畳の参道を進むと「きぬかけの路」に出て、渡った先が龍安寺です。
拝観受付を済ませて参道を進みます。
お堂は奥まったところにあり、歩き進むにつれ静寂さが増していきます。
▼階段の先に見えるのが庫裡(くり)です。
庫裡から内部拝観
禅宗寺院の庫裡は本来、「寺の台所」の意味だそう。現在では、台所兼寺務所として参拝客を迎えてくれます。
白壁と木組みのシンプルな構成が特徴です。
▼中に入るとご覧の書画が出迎えてくれました。
禅寺の雰囲気を醸し出しています。
枯山水庭園「石庭」
方丈(ほうじょう)へ移動すると、お目当ての「石庭」が現れました。
※方丈:禅宗寺院における住職の居室
正式名称は方丈庭園で、国の史跡および特別名勝に指定されています。
1975年に龍安寺を訪れたエリザベス女王が絶賛し、世界的に有名になりました。
白砂には5つの石組みが配置されています。
石の総数は15。左から五・二・三・二・三の配置だそうです。見てみましょう。
枯山水は奥が深そうです。たくさん見るだけでなく、勉強も必要そう。
「今はまだ枯山水を語らず」です。
特別公開「雲龍図」
龍安寺の方丈(国指定重要文化財)には襖絵として「雲龍図」が描かれています。
元首相の細川護熙(もりひろ)氏の揮毫とのこと。氏が奉納された32面の雲龍図のうち、8面が特別公開されていました(特別公開は令和5年度も続くとのこと)。
禅寺に龍が描かれるのは、なぜ?
ところで、禅寺などでは龍の絵をよく見かけますが、なぜでしょう?
まとめてみました。
まず、龍について
・想像上の動物
・体は大蛇に似るが、4本の足・各5本の指を持つ
・顔は長く耳があり、頭に2本の角、長いひげを持つ
・背には81枚の鱗(うろこ)がある
・喉の下に「逆さ鱗」があり、龍はこれに触れた者を必ず殺してしまう
⇒これが「逆鱗に触れる」の由来らしい。
「逆鱗に触れる」は、
「君主や上司、目上の人などの機嫌をそこねてしまい、激しく怒られることのたとえ」として使われますが、
言葉の由来としては、
龍を乗りこなそうとすると、背中にまたがり首のあたりにつかまることが想定されるが、うっかりのどの下に手が触れてしまう、そして・・・・・
という相当シリアスな状況を言うのですね。
・水中または地中に潜む
・雲を起こして雨や雷を呼び、竜巻となって自在に飛翔する
龍神が仏法の雨を降らせる
恐ろしそうな龍ですが、仏教では守護神の一つとされています。
・仏教を守る八部衆の一つであり「龍神」ともいわれる
※八部衆:お釈迦さまに教化され、仏法を守護する異教の神々
・水をつかさどり、航海や雨乞いの守護神。また、寺院を火災から守るともされる
・法の雨(仏教の教え)を降らせる
⇒法堂(はっとう)の天井によく描かれる
※法堂:禅寺で住持が法を説く堂。他の宗派の講堂にあたる
仏教の守護神はほかにもいろいろありますが、雨を呼ぶ霊力を持つ龍神が「法の雨(仏教の教え)を降らせる」という考え方がポイントなのでしょうか?
法堂の龍図としては、建仁寺の「双龍図」が大迫力です。
ひと通り拝観し外へ。
この裏が「石庭」です。背後に見えるのは方丈の屋根。
▼大きな池に沿って歩きます。
鏡容池では四季それぞれに美しい草花が楽しめるそうですが、花の季節にはまだ少し早かったようです。
華やかな北野天満宮から静かな龍安寺に来て、はじめは寂しさも感じましたが、心が落ち着き、清々しい気持ちで龍安寺をあとにしました。
御朱印「石庭」
強烈な御朱印をいただけました。
直書きです。御朱印帳からはみ出さんばかりの筆ぶりに思わず「すごっ!」。
●龍安寺の基本情報
・臨済宗妙心寺派
・山号:大雲山
・御本尊:釈迦如来
・創建:1450年
・文化財:重要文化財/世界文化遺産
・京都市右京区
2023(令和5)年3月6日(月)参拝(61歳0か月)